協会長からのご挨拶
協会長からのご挨拶
会長就任挨拶
2024年6月13日
第二地方銀行協会
会長 藤原一朗
このたび、第二地方銀行協会の会長を務めることになりました、
名古屋銀行の藤原でございます。今後、関係各位のご理解、ご協力を
賜りながら、職責を果たして参りますので、よろしくお願い申し上げます。
さて、コロナ禍を乗り越えた今、日本経済は、賃上げ、消費拡大、企業の設備投資などに支えられ、長きにわたる低迷から脱する明るい上向きの力が生じています。
また、30年来のデフレからの脱却が近づいており、「金利のある世界」の到来により金融業界を取り巻く環境は大きく変わってきています。
一方、地域経済に目を向けますと、エネルギー・原材料価格の高騰、都市部への人口流出や少子高齢化による労働力減少など、依然として厳しい状況が続いております。
加えて、デジタル化や脱炭素化など産業構造を変革させる動きが更に拡大しており、これに伴う価値観や行動様式の変化から、地域やお客さまが抱える課題やニーズもますます多様化しております。
こうした環境下において、我々地域金融機関は、多様な特性を有する地域経済が力強い成長を取り戻すため、地域社会とともに持続可能な地域のエコシステムを創り上げてまいります。
そのために、私ども第二地方銀行協会は、「多様性から生まれる地域経済の共創」を本年度の活動テーマに掲げ、会員行それぞれの多様性および価値観を尊重しつつ、それぞれの会員行に適したサポートを提供することを活動方針とし、以下3点に重点的に取り組んでまいります。
1.「多様な地域経済の新しい価値の共創」
地域社会への貢献は地域金融機関の揺るぎない使命です。我々地域金融機関は、引き続き、法人のお客さまの生産性向上や事業承継への支援、個人のお客さまの長期安定的な資産形成に貢献してまいります。
また、会員行37行が地盤とする各地域の特性は一様ではありません。規制緩和を活用した新事業への挑戦、本業ビジネスを深掘りした顧客支援など、地域社会の未来を創造していくために会員行が目指すビジネスモデルについても、一様ではないと認識しております。地域社会と地域金融機関が、多様な地域経済の新しい価値を共創していくことが出来るよう、会員行の持続可能なビジネスモデルの構築を支援してまいります。
2.「多様な人材の育成・確保」
我々地域金融機関が持続可能なビジネスモデルの構築を目指すうえで、人材の価値を最大限に引き出すことが重要であると考えています。
現在、当協会では人材育成の観点から、会員行向けセミナーや階層別の研修、実務担当者向け意見交換会などを開催しております。コロナ禍では難しかった「参加者同士が顔を合わせ、それぞれの知識や経験、多様な考えを持ち寄って切磋琢磨できる場」を提供することを通じ、新しい価値を創造できる多様な人材の育成・確保に向けて、会員行の人的資本経営への取り組みを支援してまいります。
3.「多様なDX戦略への支援」
当協会では、地域課題解決の側面支援を目的として、DXに関する知見向上や業態内外の連携に取り組むプラットフォームである「SARBLAB」を設置しております。2019年6月に立ち上がり、晴れて5周年を迎えます。
昨年からは、他業態の金融機関やフィンテック企業にもSARBLABの取り組みに参加してもらう目的で「賛助会員制度」を開始しました。引き続き、業態や業界の垣根を超えた交流の場の提供に取り組んでまいります。
このような活動を通じ、会員行の多様なDX戦略を尊重しつつ、オープンイノベーションの視点から会員行へ情報提供等を行うことにより、地域の事業者及び会員行自身の利便性と生産性の向上を支援してまいります。
最後に、改めて皆様のご支援とご協力を心からお願い申し上げ、会長就任の挨拶とさせて頂きます。
以 上