協会長からのご挨拶
協会長からのご挨拶
年頭所感
2025年1月1日
第二地方銀行協会
会長 藤原一朗
謹んで新春のお慶びを申し上げます。また、旧年中は格別なご高配を賜り、改めて厚く御礼申し上げます。
昨年を振り返りますと、多くの地域において、自然災害による被害が発生しました。被災された地域の皆さまには、改めて心からお見舞い申し上げます。引き続き、私どもは地域金融機関として、被災地の復旧・復興をしっかりと支援して参ります。
さて、コロナ禍を乗り越えた日本経済は、賃上げ、消費拡大、企業の設備投資などに支えられ、長きにわたる低迷から脱する明るい上向きの力が生じています。また、「金利のある世界」の到来により金融業界を取り巻く環境も大きく変わってきています。
一方、地域経済に目を向けますと、エネルギー・原材料価格の高騰、都市部への人口流出や少子高齢化による労働力減少など、依然として厳しい状況が続いています。
加えて、デジタル化や脱炭素化など産業構造を変革させる動きが更に拡大しており、これに伴う価値観や行動様式の変化から、地域やお客さまが抱える課題やニーズもますます多様化しています。
こうした環境下において、今年度、第二地方銀行協会では、多様な特性を有する地域経済が力強い成長を取り戻すため、会員行が地域社会とともに持続可能な地域のエコシステムを創り上げていくことができるよう、「多様性から生まれる地域経済の共創」を活動テーマに掲げ、取り組みを進めて参りました。
本年も引き続き、会員行それぞれの多様性を尊重しつつ、それぞれの会員行に適したサポートを提供することを活動方針とし、以下の点を念頭に置きながら、取組みを一段と加速させて参ります。
1.多様な地域経済の新しい価値の共創
現在、会長として全国各地の会員行を巡っていますが、会員行が地盤とするそれぞれの地域の特性は一様ではなく、地域社会の未来を創造していくために会員行が目指すビジネスモデルについても一様ではないと改めて認識しております。地域社会と地域金融機関が、多様な地域経済の新しい価値を共創していくことができるよう、当協会は、会員行の持続可能なビジネスモデルの構築を支援して参ります。
2.多様な人材の育成・確保
我々が持続可能なビジネスモデルの構築を目指すうえで、人材の価値を最大限に引き出すことが重要です。当協会で開催するセミナーや研修においては、オンライン開催だけではなく、コロナ禍では難しかった「参加者同士が顔を合わせて情報交換ができる場」を積極的に提供しています。このような活動により、コンサルティング機能の高度化や新事業創出などの変化を生み出し、新しい価値を創造できる多様な人材の育成・確保に向けて、会員行の人的資本経営への取り組みを支援して参ります。
3.多様なDX戦略への支援
当協会では、地域課題解決の側面支援を目的として、DXに関する知見向上や業態内外の連携に取り組むプラットフォームである「SARBLAB」を設置しております。会員行の多様なDX戦略を尊重しつつ、オープンイノベーションの視点から会員行へ情報提供等を行うことにより、地域の事業者および会員行自身の利便性と生産性の向上を支援して参ります。
いずれにしましても、金融政策の変更とともに経済正常化への道が開いたわけですから、これまでの「異常な状態」から連続する考え方に依拠するのではなく、非連続な考え方で未来を創っていくことが大事だと考えます。「多様性」をキーワードに、会員行と共に今後の地域経済を共創して参ります。
結びに、皆さまにとって、新しい年が充実した1年となり、ますますご発展されますことを心より祈念いたしまして、新年の挨拶とさせて頂きます。
以 上